【ポケカ】 ゲコゾロのお話のお話 その2
とあるカードショップ……とある大会二回戦目
優勝候補であった赤羽 隼人が一回戦目で敗退し波乱の幕開け
必然的にその赤羽を倒した男の試合に注目が集まっていた。
『俺の先攻。バトルポケモンは"ゲッコウガ&ゾロアークGX"
ベンチにも同様に"ゲッコウガ&ゾロアークGX"を1枚置かせてもらう』
「私の前列は"フェローチェ&マッシブーンGX"
こちらも一緒です。後列に"フェローチェ&マッシブーンGX"です」
対戦相手は紳士的な大人の男性、名は緑谷 茂樹という。
彼もこの町では名の知れたプレイヤーのようだが
いつも赤羽に敗北している為かNo2と呼ばれる事が多い。
「私の宿敵‼ 赤羽を早々に倒してくれた事に感謝をしよう。
彼が居ないのならば……私の優勝の可能性もありえるだろう」
『この戦いに勝ってから夢を語るんだな……』
視線が交わると相手は不敵に笑う。
『俺のターン。ドロー‼』
(先攻で無理に動く必要性は無い……
一気に決める準備を整える)
『基本悪エネルギーをベンチの"ゲッコウガ&ゾロアークGX"へ‼
さらに"ブルーの探索"を使用‼ 山札より"マチスの作戦""ネストボール"を手札に‼
そのまま"ネストボール"を使用し"ムウマ"をベンチに置かせてもらう‼』
流れるようなカード捌きで盤面にカードを並べ静かにターンを終える。
「先程の戦い実に痺れました。あの赤羽 隼人をわずか2ターンで倒すとは…
あなたにターンを与え過ぎるのは危険のようですね。まさに悪党だ。」
『……』
緑谷は喋りながらカードを引くと手札に視線を下ろして頷いて見せた。
「この紳士の拳が悪党を打ち砕きます‼
手札から"ミステリートレジャー"を使用‼ 手札を1枚トラッシュし‼
山札を確認、手札に加え…場に出すのはこのカード‼」
『……‼?』
展開されたカードに驚いた表情、それと同時に過るビジョン。
緑谷は追加で手札からカードを1枚引き抜いて表にしてみせる。
「先程、場に出した"ムウマ"を対象に"やみのいし"を使用します‼」
『(同系…別型)…… お前も使えるのか……』
山札から"ムウマージ"を呼び出し、手札から"こだわりハチマキ"を
バトル場の"フェローチェ&マッシブーン"に付け、特性を使用する。
「これは運が良いですねぇ……」
『(この男、1回戦目の赤羽との試合をまるで見ているかのような口ぶりだった。
ギャラリーにいたのか?いや、この男も1回戦目を闘っていたはずだ……‼
考えられる可能性は……)』
緑谷は素早く"ネストボール"を使用し2枚目の"ムウマ"を展開。
"ブルーの探索"を使用し"やみのいし"と"ビーストリング"を手札に加えた。
『(あのタイミングですでに1戦目を終えていた……ということだ)』
流れるようなプレイをただ目で見ている事しかできない。
静かに2枚目の"ムウマージ"の特性が使用され緑谷の手札にカードが入る。
同時に"ビーストリング"を使用しバトル場の"フェローチェ&マッシブーンGX"に
2枚の基本草エネルギーが付けられる。
さらに2枚目の"ビーストリング"を放ち、ベンチにも2枚のエネルギーを‼
「すみません。このカードを偶然にも引いてしまいました」
不敵な笑みと共に手札から1枚のカードがテーブルに投げ込まれる。
『ちっ……』
「"ビーストエネルギー◇" さぁ‼ 足し算の時間です‼‼ 華麗な終焉を‼
"エレガント・ソール""こだわりハチマキ""ビーストエネルギー"により
そのダメージ合計値は250‼‼」
バトル場の"ゲッコウガ&ゾロアークGX"をトラッシュに移動させる。
同時にサイドのカードを3枚手札に加える緑谷。
「悪党にターンを与えるつもりなどありませんよ‼」
『やってくれるッ!』
続く…