【ポケカ】 ターボゲコゾロのお話
とあるカードショップ…… とある大会
第一回戦目だと言うのにギャラリーを集める卓があった。
「俺のポケモンはジラーチ‼ ベンチには"レシラム&リザ―ドン"だ‼」
勢い良くカードを表にして見せる男。
彼は赤羽 隼人。この町では名の知れたプレイヤーだ。
さながら優勝候補と言ったところだろう。
「こちらは"ゲッコウガ&ゾロアーク"です。宜しくお願いします」
片や少し暗い印象を受ける物静かな男性。
先行を取ったのは赤羽である。
「"ゲッコウガ&ゾロアーク"あまり見ないカードだな??
そんな弱小ポケモン、俺のレシラムリザ―ドンが一瞬で燃やしてやるぜ‼」
勢い良く山札からカードを引き抜いた赤羽は、すかさずジラーチを示し。
特性"ねがいほし"を使用する。素早く山札の上5枚を手元に置き表にする。
「ジラーチにより"溶接工"を手札に加える‼
そのまま"溶接工"を使用し、レシラム&リザ―ドンに炎エネルギーを2枚。
そしてカードを3枚ドローする‼」
手早いカード捌きで手札から追加の炎エネルギーを"レシラム&リザ―ドン"に
そして、勢いよく手札からカードを1枚引き抜いて表にしてみせる。
「"こだわりハチマキ"こいつをレシラム&リザ―ドンに付ける。
これで"次のターン"には260ダメージを叩きだす事が出来る。
文字通り、カエルの丸焼きだ‼」
捨て台詞と共にターンが男へと移る。
『こちらのターン。ドロー‼』
男はカードを引いて数秒間の微動だにせず沈黙。
多少の違和感にギャラリーが固まった瞬間に動きだす。
『"ネストボール"を使用します』
山札のカードを丁寧に1枚ずつスライドして全てを確認。
全部が万遍無く見えるように広げて再度沈黙。
「おい‼ どうしたっていうんだ‼ 最初から悩み過ぎだろう。
もはや整ってしまった俺の盤面に勝つ手段が無くて困り果てたか」
『いえ"全て覚えました"
必要なカードは全て山札にある。サイド落ちは無かったよ』
数秒の沈黙。その間に山札の全てを確認。
同時にサイドに置かれた6枚のカードを何か把握したようだ。
そうすると男はさらに手札からカードを1枚表にして見せる。
『"ネストボール"をもう1枚。同時に解決しても?』
「あぁ、時間は有効に使ってくれ」
男は静かに頷くと山札から2枚の"ムウマ"を呼び出した。
『悪エネルギーを"ゲッコウガ&ゾロアーク"に付け。
ここで"やみのいし"を使用させてもらう……』
山札の中身を全て掌握したと言うだけあり手早く"ムウマージ"を引き抜いた。
すかさず"ムウマージ"の特性を使用し、4枚のカードを山札から引く。
「ムウマージが"きぜつ"したことでサイドを1枚取らせてもらう。
これで俺が一歩リードだな‼」
追加で加えられた4枚のカードを見て男は不敵に大胆に笑って見せる。
『はははっ!"引かなかった"か…危ない所だった』
「何だ…… 急にキーカードが引けずに発狂でもしたのか……」
突如として雰囲気が変わった男に多少の動揺。
"引かなかった"と発言している割に強気な様子に違和感を覚える。
『この局面、サイド枚数はこちらが不利‼よって、このカード
"マチスの作戦"の条件を満たす。使用させてもらう……‼』
サイド枚数が負けている時に使用できるサポート
このターン、追加で2枚のサポートを使用することが出来る。
『さらに"こだわりハチマキ"をゲッコウガ&ゾロアークに。
そして、サポートカード……"ブルーの探索"を使用させてもらう』
再度手早く山札を確認し2枚のカードをテーブルに投げ込む。
『"やみのいし"そして"ウルトラスペース"の2枚だ。
ウルトラスペースはそのまま使用させてもらう』
山札から呼び出された1枚を盤面に叩きつける。
同時に"やみのいし"を使用し山札から2枚目の"ムウマージ"が飛び出す。
『アクジ・キングGX!!このカードをベンチに加える。
そしてサイド不利の条件から"カウンターキャッチャー"を使用し
貴様の"レシラム&リザ―ドン"をバトル場へと引きづり出す』
「何……だと……」
『もう1度ムウマージの特性を使用させてもらうよ。サイドを取りな』
何もしていないにも関わらず2枚目のサイドを手渡される赤羽。
しかし、これが何を意味するのか……この時点で赤羽は気付いてしまう。
ムウマージにより追加で4枚のカードが男の手札に加えられる。
「引かなくて良かったとは……"ムウマージ"が山札に残ったという意味か‼」
『あぁ、追加のサポート権、こちらは"ブルーの探索"をもう1度使わせてもらう』
男は手札を確認した後、山札のカードを見て2枚を素早く引き抜いた。
さらにそこに手札から1枚のカードを追加して表にせて見せる。
『貴様のサイドは現在4枚。それにより使用条件を満たした。
3枚の"ビーストリング"を使用させてもらう‼‼』
山札から合計6枚の基本悪エネルギーが"アクジキングGX"に付けられる。
最後に1枚テーブルに投げ込まれたカードは"エネルギー付け替え"であった。
『貴様は悪党相手に1ターンの猶予を与えるのかい??
時間を与え過ぎなんだよ。手の内を晒したなら、そこで仕留めろ』
場に悪エネルギーは7枚。30*7で210ダメージが加算され、こだわりハチマキにより
追加で30ダメージ。元々が30である為、その合計は丁度270に到達する‼‼
『"あくのはどう"……』
エネルギーを抱え込んだレシラム&リザ―ドンは一撃できぜつしてしまう。
サイドのカードを3枚手に取り手札に加える。
『"まだ"良い勝負だぜ?』
サイドは4対3、枚数だけをみれば良い勝負に見える。
が……盤面の差は圧倒的。
「こちらはジラーチをバトル場に出し。ターンを貰う‼」
(盤面にレシラム&リザ―ドンを追加したところで"あくのはどう"で落とされる。
ここはサイドの取られる枚数が少ない、非GXポケモンで耐えて態勢を整える)
『耐えられはしないさ。
"ゲッコウガ&ゾロアーク"の火力に驚いているようだが。
今貴様が本当に恐れているのは……』
「アクジキングGX……」
『そうだ。この"アクジキングGX"にエネルギーは5つ‼
すでに"グラトニーGX"の準備は整っている……‼』
「クッ」
赤羽は静かに"ねがいぼし"を使用しベンチにボルケニオンを出し
エスケープボードを使用してバトル場にボルケニオンを展開しターンを終える。
『こちらのターン、ドロー…… そして"グズマ"のカードだ』
ジラーチとアクジキングGXがバトル場に出揃い
アクジキングGXのGX技、グラトニーGXによりジラーチはきぜつ
その能力で+2枚。合計3枚のサイドを取り終えて男は勝利する。
『悪党に2ターンは与え過ぎだ……』
続く…