Fact or Fiction

エアプレイの魔術師びーるーむがお送りする妄想劇場

【トリモン】ネタ・おまけ

Nobody Knows The Triple Monsters


「俺のカードはコレだぜッ!」

今、本当に狭い業界を賑せている一つのカードゲームが有る。

「"冥界の催眠術師"……そして"キャプテンアンサー"だ‼」

とある会社から発売された"Triple Monsters"と言う
スピーディーで尚且つ戦略性のあるお手軽カードゲームだ。

「こちらは、"気まぐれサキュバス シュシュ"……"チクタクワーカー"を」

ルールは至ってシンプル各プレイヤーは20枚のカードでデッキを作成。
お互いに手持ちカードからカードを3枚選択肢、お互いのカードを見比べ合い
強いカードを場に出しているプレイヤーが勝利するというものだ。

「先制は俺だ、キャプテンアンサーでカードを2枚ドローする‼」
「シュシュとチクタクワーカーで能力値上昇!そして1枚引かせていただきます」

最初に提示された2枚のカードを元に相手のカードを読みあって行く。
そして主力となる1枚をセンターに呼び出し勝敗が決するのだ。

「隠密に夢幻、幻が得意とする戦術が目白押しぜ」
「あなたにはまるで華がありませんね」

このゲームに6種類の属性が存在し各属性毎に特色を持っている。
左右にカードを1枚ずつ最初にカードを2枚出す事を「エヴォーク」
そして最後にセンターにカードを出し「インヴォーク」と宣言する‼

「「インヴォーク‼‼」」

お互いに「インヴォーク」するカードを選択後
そのカードは同時に公開され、先制を得ているプレイヤーから順番に
センターに登場したモンスターの能力"スキル"を発動して行く。

「"ファントム・ブラスタードラゴン"‼‼」

強気に叩きつけられ姿を現すカードに強気に見せる笑み。

「盤面に何の対抗策も無いカードが2枚無防備に並んでいる‼
 妨害を得意とする幻ならそこを狙わない手は無い……‼
 盤面には夢幻のダメージを上昇させるチクタクワーカーのコンボ‼
 "虚無のアギト フェンリル" 譲っても"夢魔の女王 リリス"
 そんなところだろっ!」

饒舌に語る口ぶりに勝利の確信させ感じさせる‼

「あなたが、そう読むから…… このカードは"影鬼神"なのですわ」

無情に表返るカードに目を見開く男。
それぞれが提示したカードはまさに相反する一枚。
全ての力を一点に集中させる"ファントム・ブラスタードラゴン"に対して
そのセンターのみを打ち取る事が出来るキラーカード"影鬼神"

「クッ……」

このゲームの勝敗は2本先取にて決定する。
1本目を落としても、そこから2連勝すれば試合には勝利出来るのだ。
使用したカードは全てドロップに置かれ2本目が開始される。


「俺のカードは"ケット・シー" そして"クジャタ"だ」
「あらあら先程の強気な姿勢は何処へやらですわ。
 こちらは"クジャタ"そして……"アイアンゴーレム"です」

お互いの2枚のカードが「エヴォーク」され盤面に立ち並ぶ。
先程は一切カードに"隠密"を付与しなかったが今度はお互いにカードを"隠密"で隠す。

「そう恐れるのなら隠れていれば良いのですわ」
「お互い様だぜ」

お互いに「インヴォーク」を行う前のカードを1枚引いて手札を揃える。
手札からカードを1枚選びセンターに伏せて置いて見せる。

(考えても仕方ない。どうしても勝てない相手のカードが存在するが……
 すでに1本負けている以上、2本目は出し惜しみしていられない‼ 用意出来る最高の1手で行くぜ)

(最初の勝負に勝てたからこそ、2本目はさらに大胆な読みが許されますわ
 相手に残された魔力は残り"5"。必然的に出せるカードも限られて来るはず)

カードにはそれぞれ魔力と呼ばれるコストが存在し
盤面にはその合計値が10になるようにしかカードを呼び出す事が出来ない。
より強力なエヴォークを行えばインヴォーク出来るカードも限られるのである。

「俺の先制‼ インヴォークッ‼」

「逃げも隠れもしねぇ‼ 真っ向勝負だ‼ "可憐なる守護者 玉姫"
 全ての隠密を解除し、味方モンスター全てに+12000 ‼」

選択肢は常に手札にある物の中から選ばれる。
勝敗の大部分はお互いが選んだカードの相性による部分が大きい。
その点で言えば複雑に絡み合った先に見出した"運"とも言える。

「"夢魔の女王 リリス" 先程の対戦であなたはこのカードを読んでいたはずですが。
 1本目の時の自分を信じられないようでは、マッチを通して勝つなど到底不可能ですわ」

またしても相性の悪いカードの噛み合わせ。
味方の"隠密"を解除する代わりにパワーを与える玉姫に対して
相手のエヴォークモンスターを"幻惑"し使用不能にするリリス

「クソっ!! 運ゲーじゃねぇか‼」
「ふふっ、そうですわね」

悔しそうな視線に充てられる不敵な笑みと視線に勝敗が決する。


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ここで解説おじさん

幻のミラーは現在のアリーナでも最も多いマッチアップですね。
構築は人様々と言うのは嘘で"幽霊少女"を持っているか持っていないか程度で
基本的なパーツは大体一緒と言うのが現状です。
そうなってくると主力カード同士の投げ合いで"ジャンケン"みたいになります。
結局は読んだところで相手が持っていなければ意味が無いという話ではあります。

どれだけの選択肢があるかは試合毎に異なって来ますか
なるべく読まれにくいカード展開を心がける事は重要になります。

例えば、この試合…先制をA、後攻をBとすると

「"冥界の催眠術師"……そして"キャプテンアンサー"だ‼」
Aは1本目でカードを引きながら盤面に数字を作成しています。
流石に両方隠密じゃないのは珍しいとは思います。片方ケットシーとかは見かけますね。

この時点で、玉姫がC選択肢から消えて行きます。

「こちらは、"気まぐれサキュバス シュシュ"……"チクタクワーカー"を」
Bが定説であるチクタク隠密ですね。これで先制ならフェンリルに殺害されます。
今回はAがたまたま数字をこしらえていて先制を取っています。

ここでBが考える事は「何に勝てて」「何に勝てない」かということになります。
それでいてBの手札つまりは選択肢には何があるのか…という話になります。

で…

 


面倒なので辞めます。

続きません。